コロナ禍で家に居ることが増えたことからハマったことのひとつにオンライン読書会があります。
この読書会、なかなか選書がユニークで、骨太の本が多いのです。
で、この2か月ほど「長編読書会」の課題本として読んでいたのが「アンナ・カレーニナ」でした。
ロシアの文豪トルストイの小説であるこの「アンナ・カレーニナ」、小学校高学年か中学生の時にジュニア版で読んでいます。そのときは主人公のアンナに全く共感しませんでした。「はっきりしない、そして身勝手な女性だなぁ」とむしろ反発を覚えていたぐらいです。
ところが今、あらためて完訳で読んでみて、アンナに共感さえ覚える自分がいます。
少々ネタバレをすると、夫も子どももいるアンナは若い将校のヴロンスキーと恋に落ち、子どもまで出産します。しかし、夫は離婚に応じず、二人は社交界から締め出されます。やがて二人の気持ちはすれ違いはじめ、絶望したアンナは列車に身を投げる…というなかなか重いストーリーです。アンナの置かれた状況、立場などどこにも私と共通する部分はありません。でも「分かるよ、その気持ち」と思うのです。
考えてみれば、「分かるよ」と思うのは、どうしようもない孤独感や自分の想像が自分を苦しめていく描写などマイナスの感情ばかりでした。ひょっとするとマイナスの感情というものは誰もが共通して持っているものなのかもしれない、とさえ思います。
読み返さなければ、気づかなかったこと。
さぁて、次は何を読み返そうかな。
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